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日本におけるコンサル業界の市場規模と今後の展望について論考
これからもコンサル業界の成長は続くのでしょうか。コンサル業界の市場規模と今後の展望について、4月30日発売の書籍よりお届けします。
コンサルティング業界に身を置きながら、日々業界動向や各社の取り組みなどに接していると、DX推進支援の引き合い増加や人材の積極採用、決算においては増収増益など、コンサル業界が拡大を続けていることを目の当たりにする話ばかりです。
各社ネガティブなことは発信しない事もあるやもしれませんが、それでも各社が好調であると判断できる材料は多く、実際にコンサル業界自体が成長を続けていることは間違いないと考えられます。
しかし、未来までコンサル業界の成長は見込まれているのでしょうか。
今回、そんな業界の現状と今後について、2022/04/30(土)に技術評論社より発売となる 『図解即戦力 コンサルティング業界のしくみとビジネスがこれ一冊でしっかりわかる教科書』 より論考の一部をご紹介したいと思います。
コンサルティング業界市場規模に関する最新情報はこちら
▶現状試算:「2017年~2021年までの市場規模(本編1)」
▶将来予測:「2022年~2027年までの将来予測(本編2)」
▶世界における日本の立ち位置:「MBB,Big4の世界全体の日本売上(番外編)
目次
コンサル業界と経済の関係
コンサルティング業界の動向を考えるには、まず経済との関係を正しく認識する必要があります。コンサル業界は、他業界からの発注ありきで成り立つ為、その動向を単独では語ることができない景気連動性の高い業界となります。
一般的にはクライアント企業の変革を通した成長の為にコンサル支援を行うことが多く、全体としては経済の成長がありきとなってきます。
つまり、コンサルティング業界は経済の低迷が続くと厳しい状況になってしまうと言うことができます。実際にリーマンショック時には、大量リストラも行われましたし、日本から撤退するファームもある様な状況となりました。
日本経済の現状と見通し
コンサル業界の今後を考えるには、日本経済の動向を読み取る必要があるわけですが、結論から言うと日本経済の状況は芳しくはなく、今後についてもより厳しいと言わざるを得ません。
コロナウィルス感染症やウクライナ侵攻の影響もあり、最近顕著になってきましたが、円安が進み先進国の中でも最もモノが安く手に入る状況で、輸入資源の値上がり(価格そのものの値上がり+円安)に釣られ各種エネルギーや素材のインフレが始まりだし、スタグフレーションな状況です。
また、今後を検討していくのに1つ扱いやすい指標としてGDPが挙げられるかと思います。
PwCレポート「2050年の世界」によると、日本のGDP(ドル換算)は、2016年実績では4位で(トップ30の4.97%程度)となっております。また、2030年予測でも4位(トップ30の3.66%程度)で、2050年予測では8位(トップ30の2.65%程度)と落ち込み続けます。さらに先進国の中でも人口の落ち込みは世界一位であり、厳しい状況であると言わざるを得ません。
今後、日本は世界経済から置いていかれる形となり、日本企業の体力も落ちてくることが明白と言えましょう。
日本におけるコンサルの市場規模
その様な状況の中ではありますが、2020年度のコンサル業界の市場規模は、約1.2兆円(開発・アウトソーシング除く)(コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社調査。上場企業IR・社員数(コンサルメンバ)・想定単価・当社独自情報等による複合算出における平均値取得)となります。
今現在、デジタル・IT比率は大よそ50~60%となりますが、デジタル・IT比率は将来的にもより向上するものと考えられております。一方、企業価値向上のためのグローバル化や業界再編等のテーマでもコンサルニーズはより増えていくものと思われますが、日本経済の低迷が続けば、これらのコンサル支援は横ばいもしくは純減となってしまいます。
今後のコンサル業界の展望
ここまで先行きの明るくない話ばかりになってしまいましたが、日本経済が厳しい見込みであるからコンサル業界の市場規模も一概に下がるとは言えません。
日本企業が益々問題に対して的確かつ迅速に問題解決をしていかないと生き残れない時代になっていくわけですが、自社及び自社リソースだけでは専門性や迅速性という観点で解決できないケースが増え、特定の領域ではコンサルニーズは増えてくると考えられます。
つまり、DXや技術革新など専門性の高いテーマは引き続きトレンドとなり、コンサル市場をデジタル・IT領域が牽引していくのは変わらないと思われるといったことを本書籍では記しております(他にも日本の活性化のためにコンサル業界がどうすべきかと言ったことを述べております)。
そのため、今以上にコンサルタントには、高い専門性や問題解決能力が求められるようになると考えられます。
さいごに
コンサル業界と経済の関係、日本におけるコンサル市場規模と今後について簡単にまとめさせていただきましたが、4/30(土)発売となる書籍には、より詳細に取り纏めております。特にコンサル業界の今後の展望についての詳細と結論は書籍をお読みいただければと思います。
また、書籍では、市場規模と今度の展望を踏まえて、「社会問題と共に変わっていくコンサルの変化」や「コンサルファームが抱えている経営課題、今後の展開」についても論考をまとめております。
是非、書籍をお手に取っていただければ幸いです。
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書名:図解即戦力 コンサルティング業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書
著者:コダワリ・ビジネス・ コンサルティング株式会社
体裁:A5、228ページ、フルカラー
価格:1,760円
発売日:2022年4月30日
[v160]
執筆者
- アクセンチュアにてファーストキャリアをはじめ、以来20年超コンサル畑で事業戦略からITコンサルまで幅広くこなす。大企業の経営課題に対して包括的に俯瞰し、全体的なロードマップと解決に向けた推進に強みを持つ。
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